近年、うつ病に関する理解は大きく深まりました。しかし、まだうつ病に対する認識は十分に浸透しているとはいい難く、多くの誤解が存在します。例として、うつ病は心の病だという認識があります。うつ病は無気力になったり感情障害が発生するので精神疾患としての側面もありますが、厳密には心ではなく、脳の病気なのです。何らかの原因で脳に異常が発生した結果、脳から発される神経の伝達物質の量が大幅に減ってしまい、それがもとで無気力状態やネガティブ状態に陥ってしまうのです。これが、うつ病の正体なのです。
そんなうつ病の原因というのは、実は未だに不明な点が多いのです。なぜ脳が異常をきたし、神経伝達物質の量が減ってしまうのかというのは不明な点が多く、未だに研究されています。主な原因としてあげられているのが遺伝的な要因であり、他にもホルモンバランスの変化、慢性的な疲労、脳血管障害などの身体的な要因のほか、人間関係のトラブルや過去のトラウマの再発、急激な環境の変化などの環境が原因になることもあります。特に環境の変化による例は多く、急な転勤で忙しくなり、一段落ついた頃にうつ病を発症したという事例は多く報告されています。このように、何が原因でうつ病を発症するかというのは未だに完全には解明されていません。
そんな中、最もうつ病と深く関わっているのがストレスだとされています。ストレスが蓄積されることにより体や脳のホルモンバランスに狂いが生じ、それが原因でうつ病を発症してしまうということは多いです。そのため、真面目な人間だったり、普段意思が強く、弱音を吐かない人ほどうつ病になる傾向が強いです。主な理由は、ストレスがたまりやすいからです。真面目で責任感が強い人はその分自分で物事を抱え込む傾向が強く、なんでも背負い込んでしまうため、ある日自分のキャパシティを超えてしまい、うつ病が発症するということは少なくありません。他にも、完璧主義者だったり、凝り性の人もややストレスをためやすいため、うつ病になりやすい傾向があります。
うつ病は日頃の生活に気をつけることで予防することもできます。ストレスの原因を取り除き、運動や食事、睡眠などストレスの少ない生活を心がけましょう。また、セルフチェックで現状の把握もできます。